柴屋寺(読み)さいおくじ

日本歴史地名大系 「柴屋寺」の解説

柴屋寺
さいおくじ

[現在地名]静岡市丸子

丸子まりこ北西、字いずみに位置する臨済宗妙心寺派寺院。天柱山と号し、別名吐月峰とげつぽう本尊は十一面観音。連歌師宗長の庵室柴屋軒を前身とする。宗長の「宇津山記」によると、丸子の北の泉谷いずみがや付近は今川氏家臣の斎藤安元代々の所領だったようで、永正年間(一五〇四―二一)初め宗長は安元に依頼して、この地に草庵を結び喜見庵と称した。安元は草庵の檀那と位置付けられていた。宗長はこの庵室を「丸子草廬」「丸子閑居」「丸子柴屋」「宇津山柴屋」「宇津の山居」などとよび、さらに自らを柴屋と称し、柴屋軒とよばれた(永正八年一一月一六日「福島範為書状」尊経閣古文書纂など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android