岐阜県西部の能郷白山(のうごうはくさん)付近から本巣市(もとすし)根尾を経て岐阜市北西部付近に至る、長さ約35キロメートルの左横ずれ活断層。国内史上最大級の内陸直下型地震である1891年(明治24)の濃尾(のうび)地震(マグニチュード8.0)の際には、隣接する温見(ぬくみ)断層、梅原断層などともに活動し、最大左横ずれ約8メートルにおよぶ地表変位が生じた。とくに、現在の本巣市根尾水鳥(みどり)付近に出現した高さ約6メートルの断層崖(がい)は、当時、東京帝国大学教授であった小藤文次郎(ことうぶんじろう)の英文論文でその鮮明な写真が紹介されたこともあり、地震断層の典型例として世界的に有名である。なお、濃尾地震時に活動した他の左横ずれ活断層も含めて根尾谷断層帯とよぶことがある。
[金田平太郎]
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