ケイ皮アルデヒド(読み)けいひアルデヒド(その他表記)cinnamic aldehyde

改訂新版 世界大百科事典 「ケイ皮アルデヒド」の意味・わかりやすい解説

ケイ(桂)皮アルデヒド (けいひアルデヒド)
cinnamic aldehyde


シンナムアルデヒドともいう。芳香族不飽和アルデヒドの一つ。炭素-炭素二重結合の立体配置はトランス型である。ケイ皮油の主成分で,強いケイ皮臭をもつ。

淡黄色の液体で,融点-7.5℃,沸点129℃(20mmHg)。ベンズアルデヒドアセトアルデヒドを,アルカリ触媒の存在下でアルドール縮合して合成する。ケイ皮アルデヒドは,エチルアルコールエーテルクロロホルムなどほとんどの有機溶媒と混合する。水に不溶。容易に空気酸化され,ケイ皮酸となる。香料として用いられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケイ皮アルデヒド」の意味・わかりやすい解説

桂皮アルデヒド
けいひあるでひど
cinnamic aldehyde

芳香族不飽和アルデヒドの一種。(E)-3-フェニルプロペナールともいう。シナモンの香りの成分であり、カシアの葉・桂皮に多く含まれているほか、パッチュリ油などの植物精油中にも存在する。化学式C6H5-CH=CH-CHO、分子量132.2。ニッケイのにおいが強い黄色の液体。沸点252℃(一部分解する)。エタノール(エチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒に溶ける。菓子、せっけんなどの香料としての用途をもつ。

[廣田 穰]

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化学辞典 第2版 「ケイ皮アルデヒド」の解説

ケイ皮アルデヒド
ケイヒアルデヒド
cinnamaldehyde

[同義異語]シンナムアルデヒド

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のケイ皮アルデヒドの言及

【ニッケイ(肉桂)】より

…細い根を赤紙で束ねたものを〈にっき〉と称して,昔は子どもの菓子として駄菓子屋や縁日でよく売られていた。主成分はケイ(桂)皮アルデヒドで,ほかにタンニンを含む。 シナモン(セイロンニッケイ)C.verum J.Preslはインド南部,セイロンに分布する常緑小高木で,熱帯各地で栽培される。…

※「ケイ皮アルデヒド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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