アルドール縮合(読み)アルドールしゅくごう(英語表記)aldol condensation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルドール縮合」の意味・わかりやすい解説

アルドール縮合
アルドールしゅくごう
aldol condensation

2 分子のアルデヒドまたはケトン塩基の触媒作用によって重合させ,β-ヒドロキシアルデヒドまたは β -ヒドロキシケトンを生成する反応。合成化学上重要である。この β -ヒドロキシカルボニル化合物を一般にアルドール類という。アルドール類は脱水反応を起し,不飽和化合物となりやすいので,これまでを含めてアルドール縮合ということもある。アセトアルデヒドの場合,次のように反応する。
このアルドールを還元すれば 1,3-ブタンジオールとなり,それを脱水すればブタジエンとなる。また,クロトンアルデヒドを還元すれば,n -ブチルアルデヒドあるいは n -ブチルアルコールとなる。この反応は,酸の触媒作用によって行われることもある。芳香族アルデヒドと脂肪族アルデヒドの間でこの反応を行わせると,側鎖をもつ芳香族化合物が合成される。この反応の機構はカルボアニオンがカルボニルへ付加するものであり,クライゼン縮合パーキン反応クネフェナゲル縮合などと密接な関係がある。

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