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梅忠物 うめちゅうもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

梅忠物
うめちゅうもの

三味線音楽の曲の分類用語。飛脚屋忠兵衛と遊女梅川との情話を題材とする次のような作品の総称。下記の (1) を原拠とする。ほとんどが『梅川忠兵衛』『梅川』または『梅忠』と通称される。 (1) 義太夫節『冥途の飛脚 (めいどのひきゃく) 』 世話物,三段。近松門左衛門作。宝永8 (1711) 年大坂竹本座初演。三段目の道行『相合駕籠 (あいあいかご) 』が特に以後の梅忠物の原拠。 (2) 義太夫節『傾城三度笠 (けいせいさんどがさ) 』 世話物,三段。紀海音作。正徳3 (13) 年大坂曾根崎新地芝居初演。 (1) の改作。 (3) 一中節『道行三度笠』 正徳年間頃,都半中 (のちの宮古路豊後掾) 作曲。 (4) 宮薗節『道行相合炬燵』 明和~安永の頃,1世宮薗鸞鳳軒作曲。 (5) 義太夫節『傾城恋飛脚 (こいびきゃく,こいのひきゃく) 』 世話物2巻。 (1) と (2) を突き合せて改作。菅専助と若竹笛躬の合作。安永2 (73) 年曾根崎新地の豊竹此吉座初演。梅忠物戯曲の決定版。歌舞伎もこれを移入して,『恋飛脚 (こいのたより,こいびきゃく) 大和往来』と題する。道行を兼ねた「新口村 (にのくちむら) の段」がすぐれ,(1) (2) も,道行部分だけはこの曲を用いるにいたる。 (6) 富本節『道行恋飛脚』 名見崎徳治作曲。安永9 (80) 年江戸市村座初演。 (7) 富本節『艶姿垣根雪 (はですがたかきねのゆき) 』 寛政1 (89) 年初演。 (8) 富本節『三度笠恋の乗掛』 寛政 11 (99) 年初演。 (9) 清元節『道行故郷の陽雨 (はるさめ) 』 1世清元斎兵衛作曲。文政7 (1824) 年市村座初演。 (10) 常磐津節『道行情 (なさけ) の三度笠』 5世岸沢式佐作曲。天保 12 (41) 年江戸河原崎座初演。 (11) 新内節『傾城三度笠』 段物。1世鶴賀鶴吉直伝といわれ,文化文政頃の作曲。

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