梅川忠兵衛(読み)ウメガワチュウベエ

関連語 安田 文吉

精選版 日本国語大辞典 「梅川忠兵衛」の意味・読み・例文・類語

うめがわちゅうべえうめがはチュウベヱ【梅川忠兵衛】

  1. 浄瑠璃「冥途の飛脚」の通称。主人公梅川と忠兵衛の名を合わせたもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「梅川忠兵衛」の意味・わかりやすい解説

梅川・忠兵衛 (うめがわちゅうべえ)

浄瑠璃,歌舞伎作品中の主人公名または作品の俗称。飛脚屋亀屋忠兵衛と新町槌屋の遊女梅川を主人公にした近松門左衛門作《冥途の飛脚(めいどのひきやく)》(1711)が原典であるが,〈新口村の場〉は夫婦,親子,嫁しゅうとの愛情が巧みに描かれ,舞踊的要素が多いのでのちに道行浄瑠璃に作られた。常磐津《道行情(みちゆきなさけ)の三度笠》(1841),富本道行恋飛脚》(1780),清元《道行故郷の陽雨(はるさめ)》は,その代表曲である。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「梅川忠兵衛」の解説

梅川・忠兵衛 うめがわ・ちゅうべえ

近松門左衛門の浄瑠璃(じょうるり)「冥途の飛脚」の主人公。
大坂淡路町の飛脚宿亀屋の養子忠兵衛は,新町の遊女梅川になじみ,男の意地から公金封印をきって身請けする。二人は忠兵衛の故郷の大和新口(にのくち)村へにげるが,捕らえられる。宝永6年(1709)におきた事件をもとにしたもので,歌舞伎では「恋飛脚大和往来」として上演された。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「梅川忠兵衛」の解説

梅川忠兵衛
(通称)
うめがわちゅうべえ

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
けいせい九品浄土 など
初演
正徳1.1(京・万太夫座)

梅川忠兵衛
うめがわちゅうべえ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
宝暦4.8(江戸中村座)

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世界大百科事典(旧版)内の梅川忠兵衛の言及

【冥途の飛脚】より

…本作以後,《けいせい恋飛脚》や,それを歌舞伎化した《恋飛脚大和往来(こいびきやくやまとおうらい)》(〈こいのたよりやまとおうらい〉とも。通称《梅川忠兵衛》《封印切》《新口村》。1796年1月大坂角の芝居)などの改作が現れたが,いずれも八右衛門を敵役として強調しているため,一途ではあるが破滅的な忠兵衛の愛を描く原作の焦点はぼけてしまっている。…

※「梅川忠兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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