棄捐(読み)キエン

デジタル大辞泉 「棄捐」の意味・読み・例文・類語

き‐えん【棄×捐】

[名](スル)
捨てて用いないこと。
法令により、貸借関係を破棄すること。特に江戸時代幕府諸藩大名旗本家臣などの困窮を救うため、債務棒引きなどを命じたこと。

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精選版 日本国語大辞典 「棄捐」の意味・読み・例文・類語

き‐えん【棄捐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 捨てて用いないこと。捨ててかえりみないこと。
    1. [初出の実例]「其妻依重科於被棄捐者」(出典御成敗式目(1232)二一条)
    2. [その他の文献]〔戦国策‐秦策・孝文王〕
  3. 法例によって貸借関係を破棄すること。特に、江戸時代、強制的に債務の一部または全部を棒引きにしたり、低利の長期返還にしたりしてしまうことが行なわれた。→棄捐令。〔御触書天保集成‐寛政元年(1789)九月〕
  4. ( ━する ) 私財を投げ出して他に恩恵を施すこと。
    1. [初出の実例]「些少なる棄捐のいかに大いなる功徳をなすべきかを」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉感動)

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普及版 字通 「棄捐」の読み・字形・画数・意味

【棄捐】きえん

すておく。〔文選古詩十九首、一〕君を思へば、人をして老いしむ 、忽ち已に(く)る 捐して復(ま)た(い)ふこと勿(なか)らん 努力してを加へよ

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