棋院四家(読み)きいんよんけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「棋院四家」の意味・わかりやすい解説

棋院四家
きいんよんけ

家元である本因坊家,安井家,井上家,林家の四家。碁院四家ともいう。本因坊家が最も格式が高く,名人碁所(→碁所)を除き段位にかかわらず最高の序列を与えられ,名人将棋所より上席とされた。本因坊家は 1世本因坊算砂(名人)から 21世本因坊秀哉(名人)まで,再襲が 2人あるので 19人,跡目のまま没した本因坊道的,本因坊策元本因坊秀策の 3人を合わせて 22人。うち,4世本因坊道策,5世本因坊道知,9世本因坊察元,12世本因坊丈和,17世(19世)本因坊秀栄の 5人と算砂,秀哉を合わせて,名人碁所もしくは名人を 7人出している。安井家は 1世安井算哲から 10世安井算英の 10代と跡目の安井知仙を合わせて 11人で,2世安井算知が名人になっている。井上家は途中で元祖中村道碩(名人)を 1世として世系に入れた。1世井上因碩を 2世として 1代ずつ繰り下げ,10世井上因碩(幻庵)がみずから 11世と改称した。3世(4世)井上因碩(道節)が名人碁所となった。跡目の井上友碩を入れ,中村道碩を除くと井上を名のった者は 16人。林家は 1世林門入斎から 13世林秀栄(のち本因坊秀栄)まで 13代と跡目の林有美を合わせて 14人。名人は出していないが,11世林元美は囲碁史に通じ『爛柯堂棋話』の著がある。林家は 1883年,安井家は 1903年,本因坊家は 1940年,井上家は 1961年に絶家となった。

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