20世紀日本人名事典 「森多平」の解説
森 多平
モリ タヘイ
明治・大正期の民権運動家,新聞人
- 生年
- 天保11年3月20日(1840年)
- 没年
- 大正7(1918)年11月29日
- 出生地
- 信濃国伊那郡川路村(長野県飯田市)
- 経歴
- 祖父の許で育てられ、漢学や剣術を修める。長じて家業の酒造に従事し、庄屋役なども務めた。維新後は社会改革を志し、明治8年下伊那34町村の地租軽減運動を指揮。また、政治結社奨匡社に拠って自由民権運動を進め、14年には自由党の結党に参加した。この時、同党の領袖板垣退助から新聞の発行を勧められ、15年郷里長野県飯田で「深山自由新聞」を創刊。以後、社説や記事などで民権の思想を鼓吹し、伊那地方における近代民主主義の確立に大きな業績を残した。しかし、そのために官憲の弾圧を受けてたびたび社屋を移転し、16年に廃刊。その後も政党人として教化運動などで活躍した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報