改訂新版 世界大百科事典 「森林収穫表」の意味・わかりやすい解説
森林収穫表 (しんりんしゅうかくひょう)
yield table
普通には林分収穫表または単に収穫表とよばれており,ある樹種の林を一定の方法で取り扱った場合の林木の本数,大きさの変化を,土地の良否(地位)別に5年刻みに示した表である。主林木(間伐の際に残される木),副林木(間伐される木)およびそれらの合計について,基本的には胸高直径(地面から1.3mの高さの直径),樹高,本数,材積(幹の体積)を掲げているが,詳細なものは断面積(普通,胸高の断面積),形数(胸高直径を直径とし,樹高を高さとする円柱の体積に対する材積の割合),生長量などもあげている。収穫表を作るための資料は同じ林を多年にわたって調査するか,履歴のわかった多くの林を1~2年の間に調査して集める。日本ではスギ,ヒノキ,アカマツ,カラマツ,トドマツ,エゾマツなどについて地域別に作られている。収穫表は地位の判定,生長量や収穫量の予測,森林の経営や育て方の指針などに使われる。
執筆者:浅川 澄彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報