翻訳|volume
木材の体積のことで,測定の対象に応じて幹材積,枝条材積などに区分できるが,普通に材積というときは幹の材積を指す場合が多い。材積の測り方には2種あって,真の体積を示すもの(実積)と薪炭材などのように1本1本が小さく,形が不斉であるため,実積の測定がやっかいなものに適用される層積とがある。層積は一定の長さに切りそろえたものを積みあげた空間の体積である。
幹を対象にした材積(実積)には幹材積,丸太材積,製材材積がある。材積は直径と長さとから計算されるが,幹材積は樹種や育ち方で幹の形が違い,一定の長さにくぎって計算する方法が考案されている。これによって求めた材積を表示した材積表もつくられている。なお,一定面積当りの森林の幹材積の合計は林分材積または蓄積と呼ばれている。
材積の単位は現在の日本ではm3が用いられているが,古くは石(こく)(10立方尺=0.278m3)が広く用いられ,ほかに1尺角,長さ12尺(2間)の角材を尺締(しやくじめ)(または尺〆(しやくじめ)),1寸角,長さ6尺の角材を才(さい)と呼ぶなどの単位があった。ただし尺締,才の長さは地方によって一定していない。なお,層積の単位は棚(たな)(100立方尺)と呼んだ。アメリカでは立方フート(記号ft3。1ft3=0.028m3),またはボードフートboard foot(記号BF。1BF=2.36m3)が用いられる。
執筆者:堤 利夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
立木(りゅうぼく)を含め木材の体積を表す用語であり、立方メートル(m3)の単位で表示する。木材業界では、立方メートル(立米とも書く)表示を簡略化してリュウメ(リュウベ)とよぶ。木材業界においてメートル法による材積表示が普及するのは1992(平成4)の新しい「計量法」の公布以降である。それまでは、石(こく)(1石=縦横1尺、長さ10尺、1尺=30.303センチメートル)で材積を表示する方法が多くとられてきた。石による材積表示は、使い勝手のよさから、長年にわたり使われてきた。樹齢40年生、50年生の伐採時のスギ人工林の材積は、1町歩(ちょうぶ)(約1ヘクタール)あたり1000石(1石=0.27826立方メートル)前後となり、山林経営を考えるうえで利便性があった。
枝を払った立木の幹材積は、胸の高さの幹直径と先端までの樹高から立木材積表によって積算される。また、丸太の材積は、丸太の末口(最小)直径と丸太の長さの積から丸太材積表によって求められる。市場取引における材積計算の方法はJAS(ジャス)(日本農林規格)方式が用いられている。林野庁監修の『林業統計要覧』には、製材品の丸太換算率(歩留り)をはじめ、平方メートル表示の合板やトン表示のパルプ・チップ材、インチ材などの丸太換算率が掲載されている。木材自給率(木材供給に占める国産材供給シェア)は、この換算率で丸太に換算され試算される。
[山岸清隆]
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出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
…空間の部分を囲む図形の大きさを,単位の長さをもつ線分を1辺とする立方体の大きさを基準として測ったときの数値が,その図形の体積であると通常は説明されているが,図形の大きさについては何も述べられていないので,この説明をもって体積の定義とするのは無理である。そこで数学では積分を用いて体積を定義する。すなわち,空間の有限の範囲内に集合Kがあるとき,Kを含む直方体Iをとって,Iの点Pに対し,PがKに属せばφ(P)=1,そうでなければφ(P)=0として関数φ(P)を定義し,この関数がI上で積分可能ならばKは体積確定であるといい,その値をKの体積という。…
※「材積」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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