楚歌(読み)ソカ

デジタル大辞泉 「楚歌」の意味・読み・例文・類語

そ‐か【×楚歌】

古代中国の楚国の歌。→四面楚歌しめんそか

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精選版 日本国語大辞典 「楚歌」の意味・読み・例文・類語

そ‐か【楚歌】

  1. 〘 名詞 〙 中国で、楚の国の人の歌。楚調の歌。また、そのような歌を歌うこと。→四面楚歌
    1. [初出の実例]「漢の兵是を囲める事数百重、四面皆楚歌(ソカ)するを聞て項羽今宵を限と思はれければ」(出典太平記(14C後)二八)
    2. [その他の文献]〔史記‐項羽紀〕

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普及版 字通 「楚歌」の読み・字形・画数・意味

【楚歌】そか

楚地のうた。その歌調。〔史記、項羽紀〕項王の軍、下に壁す。兵少く盡く。侯の兵之れを圍むこと數重。夜、軍の四面皆楚歌するを聞く。項王乃ち大いにきて曰く、皆已に楚を得たるか。是れ何ぞ楚人(そひと)の多きやと。

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改訂新版 世界大百科事典 「楚歌」の意味・わかりやすい解説

楚歌 (そか)
Chǔ gē

中国,楚地方の歌謡,あるいはその形式にならった作品。漢代初年に広く流行した。項羽が漢の高祖と天下争い垓下(がいか)に包囲されたとき,包囲軍が〈四面楚歌〉したとあるように,元来は民衆的な流行歌謡であったと考えられるが,現在にのこるのは英雄皇帝,皇族たちの作品とされるものが多い。項羽の〈垓下の歌〉,漢の高祖の〈大風の歌〉,戚夫人の〈永巷の歌〉〈舂歌(しようか)〉など,みな高ぶった感情を表現したものである。楚歌がつねに劇的な場面で作られたものとされていることは,その作者名には仮託のものが多く,演劇形式の文芸と結びついてこの一類の歌謡が発展したことを示唆しよう。
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