四面楚歌(読み)シメンソカ

  • 四面×楚歌

大辞林 第三版の解説

の項羽が四面を囲む漢軍の中に楚の歌を聞き、楚はすでに漢にくだったのかと驚きなげいたという史記項羽本紀の故事から
まわりが敵や反対者ばかりで、味方のないこと。孤立無援。 -の状態

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

敵に囲まれて孤立し、助けを求められないことのたとえ。周りに味方がなく、周囲が反対者ばかりの状況をもいい、孤立無援ともいう。中国、楚(そ)の項羽(こうう)が、漢の高祖に敗れて垓下(がいか)でその軍に包囲されていたとき、四方を取り囲む漢の軍中で盛んに楚の歌を歌うのを聞いて、「漢皆已(すで)に楚を得たるか、これ何ぞ楚の人の多きや」といって、敵の軍中に楚人の多いのを嘆じた、と伝える『史記』「項羽本紀」の故事による。しかしこれは、高祖の仕組んだ心理的な計略であった。[田所義行]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (楚の項羽が漢の高祖に垓下(がいか)で包囲されたとき、四面の漢軍の中から楚国の歌がおこるのを聞いて、楚の民がもはや多く漢軍に降服したかと思って驚いたという「史記‐項羽本紀」の故事から) 敵の中に孤立して、助けのないこと。周囲が敵、反対者ばかりで味方のないことのたとえ。楚歌。
※和漢朗詠(1018頃)下「燈(ともしび)暗うして数行虞氏が涙、夜深けぬれば四面楚歌の声〈橘広相〉」 〔呉志‐胡綜〕

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世界大百科事典内の四面楚歌の言及

【垓下の戦】より

…〈垓下の歌〉を作り,天に見放された不運を嘆き,愛馬の騅(すい)と虞美人(ぐびじん)の行く末を案じたあと,奮戦してみずから命を絶った。〈四面楚歌〉はこの故事にもとづく。【上田 早苗】。…

【虞美人】より

…5年にわたる楚・漢抗争のすえ,前202年に項羽は劉邦の漢軍によって垓下(がいか)(安徽省霊璧県)に囲まれた(垓下の戦)。夜,四面から聞こえてくる楚の歌に,項羽は郷里の楚も漢におちたことを悟り(四面楚歌),虞美人をかたわらに決別の酒宴をひらいた。項羽は悲憤慷慨し,涙して辞世の詩をうたうと,彼女も唱和し,みな泣き伏したという。…

【楚歌】より

…漢代初年に広く流行した。項羽が漢の高祖と天下を争い,垓下(がいか)に包囲されたとき,包囲軍が〈四面楚歌〉したとあるように,元来は民衆的な流行歌謡であったと考えられるが,現在にのこるのは英雄や皇帝,皇族たちの作品とされるものが多い。項羽の〈垓下の歌〉,漢の高祖の〈大風の歌〉,戚夫人の〈永巷の歌〉〈舂歌(しようか)〉など,みな高ぶった感情を表現したものである。…

※「四面楚歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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