業務上過失致死傷罪(読み)ギョウムジョウカシツチシショウザイ

共同通信ニュース用語解説 「業務上過失致死傷罪」の解説

業務上過失致死傷罪

業務上必要な注意を怠って人を死傷させた場合、5年以下の懲役禁錮、または100万円以下の罰金が科せられる。刑法211条で規定されている。危険な事態被害が発生する恐れがあることを予見できたと認められ、その上で結果を回避する義務を怠っていたときに成立する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「業務上過失致死傷罪」の意味・わかりやすい解説

業務上過失致死傷罪
ぎょうむじょうかしつちししょうざい

業務上必要な注意を怠り,よって人を死傷に致す罪 (刑法 211) 。通常の過失致死傷罪と比べて刑がかなり重く,5年以下の懲役もしくは禁錮,または 50万円以下の罰金に処せられる。業務の概念判例学説によりきわめて広く解されており,職業や営業上の行為であることを要せず,人が社会生活を維持するうえで,反復・継続して行う危険な行為を広く含む。たとえば,娯楽のためであっても自動車を運転することは業務にあたる。しかも,ただ1回の行為でも継続して従事する意思があればこれにあたる。業務上の過失が重く処罰される理由について判例は,業務者には通常人と異なった高度注意義務が課されているからであるとする。

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世界大百科事典(旧版)内の業務上過失致死傷罪の言及

【過失致死傷罪】より

…ただし,被害者等からの告訴がなければ起訴されない),過失致死罪(210条。刑は50万円以下の罰金),業務上過失致死傷罪(211条前段。刑は5年以下の懲役もしくは禁錮,または50万円以下の罰金),重過失致死傷罪(211条後段。…

※「業務上過失致死傷罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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