極楽とんぼ(読み)ゴクラクトンボ

関連語 筑摩書房

日本大百科全書(ニッポニカ) 「極楽とんぼ」の意味・わかりやすい解説

極楽とんぼ
ごくらくとんぼ

里見弴(とん)の中編小説。1961年(昭和36)1月『中央公論』に発表、同年5月中央公論社刊。薩摩(さつま)藩の貧乏士族から身をたてた吉井市蔵の子で、「明治十八、乙酉(おつゆう)の年六月十日に生を享(う)けた三男・周三郎を主人公とする稗史(はいし)」とある。生来の「独(ひとり)よがりののほゝん性」から、遊蕩(ゆうとう)のうちに75歳の生涯を終えた主人公の「極楽とんぼ」ぶりを中心に、作者の実家である有島一族をも思わせる大家族の人間模様を、闊達(かったつ)自在な文体で悠々と描く。清濁あわせ呑(の)むおおらかな世間智(ち)に富み、円熟境地を示して高い世評を得た晩年秀作

[宗像和重]

『『現代日本文学大系37 里見弴・久保田万太郎集』(1972・筑摩書房)』『『極楽とんぼ』(1983・福武書店)』

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世界大百科事典(旧版)内の極楽とんぼの言及

【里見弴】より

…彼の作風は志賀によって“小説家の小さん”と言われたが,戦後の《見事な醜聞》(1947),《五代の民》(1970)など,流暢(りゆうちよう)な文体によって多様な人間模様を描出している。《極楽とんぼ》(1961)は,自己に似た人物の〈極楽とんぼ〉ぶりを軽妙に楽しげに描き切った最後の秀作である。【西垣 勤】。…

※「極楽とんぼ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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