権謀術数(読み)けんぼうじゅっすう

四字熟語を知る辞典「権謀術数」の解説

権謀術数

相手をたくみにあざむくはかりごと。種々の計略をめぐらすこと。

[使用例] 東は、自分の心がその旋律の中へ吸い込まれ、つい先程まで権術数の場にあった鉛のように重い心も、泥沼のように濁っていた心の汚れも、洗いぬぐわれ、静かになごんで来るのを感じた[山崎豊子*白い巨塔|1965]

[使用例] 志波左近は決して激しく生きていたのではなかった。斎藤利三や土岐民部や海北紹益のように情熱にかれ、あるいは権謀術数に身を打ちこんで生きていたのではない[辻邦生*嵯峨野明月記|1971]

[使用例] 電話の向こうが静かになる。権謀術数渦巻く企画部の次長である西川の頭の中には、行内の様々な利害関係がからみあっている[池井戸潤*銀行仕置人|2005]

[解説] 「権謀術数」は、高校の世界史に出てきます。ルネサンス期の政治学者マキャベリは、「君主論」の中で、勇敢さとずるさを持つ君主の必要性を説きました。この説は後に誤解されて、「権謀術数」を駆使する主義、マキャベリズムと言われました。目的のためなら手段を選ばない主義、ということです。
 「権」「謀」「術」「数」は、どれも計略のこと。つまり「権謀術数」は、似たことばを四つ重ねて作った熟語です。べつに何かの数のことではありません。
 「謀」「術」に計略の意味があるのは、説明の必要がないでしょう。「権」は、物をはかるおもりのことで、そこから「はかりごと」の意味が生まれました。「数」も、かぞえるという意味から、ものごとをはかる意味が生まれました。
 「権謀術数」の初出はルネサンスより古く、宋代のしゅが著した「大学章句」の序にあります。孔子・孟子の死後、その教えが忘れられ、権謀術数の説がはびこっている、と朱熹は嘆いています。

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精選版 日本国語大辞典「権謀術数」の解説

けんぼう‐じゅっすう【権謀術数】

〘名〙 相手をたくみにあざむくはかりごと。種々の計略をめぐらすこと。権謀術策。けんすう。
※文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉一「其外国交際の法の如きは、権謀術数至らざる所なしと云ふも可なり」 〔朱熹‐大学章句序〕

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デジタル大辞泉「権謀術数」の解説

けんぼう‐じゅっすう【権謀術数】

人を欺くためのはかりごと。種々の計略。権数。「権謀術数にたける」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「権謀術数」の解説

権謀術数
けんぼうじゅっすう

マキアベリズム」のページをご覧ください。

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