横倒(読み)よこだおし

精選版 日本国語大辞典 「横倒」の意味・読み・例文・類語

よこ‐だおし ‥だふし【横倒】

〘名〙 (「よこたおし」とも)
① 横に倒すこと。また、横に倒れること。よこたわし。よこったおし。
※仮名草子・竹斎(1621‐23)上「さて相撲の取る手には、さ股返しによこだをし」
林檎の下の顔(1971‐73)〈真継伸彦〉四「先端で急停車しては乗客を横倒しにしていた」
② 無法なことをむりやりに押し通すこと。よこったおし。
※浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)三「今日より女房にするからいなす事はならぬと、銀にする気の横倒(ヨコダヲシ)
③ 代金や借金などの支払いをしないですましてしまうこと。ふみたおし。
歌舞伎桑名屋徳蔵入船物語(1770)五「証文のない事ぢゃと思うて横倒(ダフ)しに出るのか」
レスリングで、反動を利用して相手を抱き込み、頭と両足とでからだを弓なりにさせて相手をあおむけにする技。横崩し。

よこっ‐たおし ‥たふし【横倒】

〘名〙
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「百で買った馬が磁石の劔を見たやうに横倒(ヨコッタヲシ)に寝そべって居て」
咄本・御笑酒宴(1779)馬鹿もの「何だ、いめへましゐ。おもひ付てもない。よこったおしめ、おきあがれ」
半可通のくせに高慢な者。
洒落本・蛇蛻青大通(1782)「江戸節の横噤(よこくわへ)をじふくるを天狗倒と唱へしが近頃号て横倒(ヨコッタホシ)といふ」

よこ‐だおれ ‥だふれ【横倒】

〘名〙 横に倒れること。横に倒れかかった状態
湯島詣(1899)〈泉鏡花一六「足も溜らず、横僵(ヨコダフ)れになったが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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