出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…そこから〈大通(だいつう)〉の語も生じ,明和・安永と盛んに〈大通〉賛美が行われたのち,反省期を迎え,天明期に入って〈大通〉のイメージの中にあった豪気さ,放胆さが消え,多分に常識的,小市民的な〈通〉の理念が生じた。一方で,己ひとり通人なりと誇らしげな人物を指す〈半可通(はんかつう)〉(野暮(やぼ))という語も生まれる。洒落本はもっぱらこの〈半可通〉をうがちの対象として登場させ,滑稽を摘出することに成功している。…
…世態人情の機微に通じず,言動がすべてにわたって洗練されていない人,遊里の事情に不案内な人のことをいう。〈野暮〉と〈通〉はその世界を全く異にしているため,修行しだいでは〈野暮〉から〈通〉への変化も可能だが,〈半可通(はんかつう)〉は〈通〉の範疇の中にありながら目ざす方向が〈通〉とは逆であるため,かえって〈通〉から遠ざかることになる。洒落本の世界では,より滑稽な存在として,〈野暮〉よりも〈半可通〉に関心が持たれることが多く,その人物像も生彩に富んでいる。…
※「半可通」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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