江戸節(読み)えどぶし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

江戸節
えどぶし

三味線音楽の分類の一つ。上方に対して,江戸生れの音楽についての呼称。すなわち肥前節 (始祖江戸肥前掾) ,半太夫節 (始祖江戸半太夫) ,河東節 (かとうぶし。始祖江戸太夫河東) のこと。すべて名前の前に「江戸」とつき,柔らかみのあるもので,一つの芸系に立っているのが特色。初めは主として半太夫節のことをさしていた (ほかの浄瑠璃で「江戸」または「江戸カカリ」というのはほとんど半太夫節のこと) が,半太夫節が衰退してからは,河東節をいうようになった。

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世界大百科事典 第2版の解説

えどぶし【江戸節】

三味線音楽の分類用語。大坂の義太夫節,京都の一中節に対していわれた言葉で,肥前節(江戸肥前掾),半太夫節河東節をいうが,主として半太夫節を指す。それぞれの流祖が姓に〈江戸〉を用いたことにちなむが,概して優雅で淡白な味を特色とする。同じ江戸生れでも薩摩浄雲の勇壮豪快さや金平(きんぴら)節の荒唐無稽さはないが,義太夫節でいう〈江戸〉は,むしろ勇壮で律動的な節である。【竹内 道敬】

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大辞林 第三版の解説

えどぶし【江戸節】

江戸浄瑠璃のうち、芸名に江戸を用いた肥前ひぜん節・半太夫節、および河東節の総称。

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精選版 日本国語大辞典の解説

えど‐ぶし【江戸節】

〘名〙 江戸浄瑠璃の一派。元祿(一六八八‐一七〇四)頃から明和(一七六四‐七二)にかけて流行した。江戸肥前掾の肥前節、江戸半太夫の半太夫節、十寸見河東(ますみかとう)の河東節の総称。特に半太夫節だけをいうこともある。
※浮世草子・椀久一世(1685)下「うれしく別れて惣八は帰る椀久はおもひもよらぬ旅の空と江戸ぶしの浄瑠璃」

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世界大百科事典内の江戸節の言及

【河東節】より

…三味線音楽の一種目。江戸節の一つ。1717年(享保2)2月に江戸太夫(十寸見(ますみ))河東が江戸市村座で《松の内》を語ったのをはじめとする。…

【浄瑠璃】より

…丹後掾の長男の江戸肥前掾(肥前節)の弟子江戸半太夫(半太夫節),初世半太夫の弟子十寸見(ますみ)河東(河東節)などの浄瑠璃は劇場音楽からむしろ江戸通人の粋なお座敷音楽化した。肥前節,半太夫節,河東節を江戸節と総称する。 また京の都太夫一中の弟子宮古路豊後掾の曲節は江戸で豊後節として流行したが,風紀を乱すとして1731年(享保16)と36年(元文1)に自宅の稽古を禁止され,39年には一部劇場以外厳禁された。…

【半太夫節】より

…貞享・元禄(1684‐1704)のころに流行した。《松の葉》(1703),《若緑》(1706),《松の落葉》(1710)などによると,当時上方では,江戸を代表する浄瑠璃として,盛んに演奏されており,肥前節(江戸肥前掾),河東節とともに江戸節ともいわれた。その曲節は主として弟子の初世十寸見河東(ますみかとう)をへて河東節に伝わったが,その他の三味線音楽にも〈江戸〉または〈江戸がかり〉として,優雅で淡泊な雰囲気を出すときに使われている。…

※「江戸節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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