① クスノキ科の落葉低木。本州の関東以西、四国、九州、朝鮮、中国の山地に生える。高さ約三メートル。枝を折れば芳香がある。葉は広卵形または卵円形で、長さ五~一五センチメートル、ふつう浅く三裂し裏面に淡褐色の長毛を密生する。雌雄異株。早春、葉に先だってごく小さな黄色い花を密につける。秋、径約一センチメートルの果実を結び赤く熟す。古くは果実から灯油をとった。材は薪炭用。和名は、ロウバイの一品種トウロウバイの漢名の転用という。漢名、三椏烏薬。うこんばな。いわずさ。やまずさ。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕