正札(読み)ショウフダ

デジタル大辞泉 「正札」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ふだ〔シヤウ‐〕【正札】

掛け値なしの値段を書いて商品につけた札。「正札販売」

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精選版 日本国語大辞典 「正札」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ふだシャウ‥【正札】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 掛値なしの正しい値段を書いて商品につけた札。
    1. [初出の実例]「正札は二分諸入用しれず」(出典:雑俳・柳籠裏(1783‐86)五月二八日)
  3. ( 形動 ) 比喩的に、掛値のないこと。つつみかくしのないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「花井お梅は明治での大毒婦と正札(シャウフダ)が附いて居るけれども」(出典江戸から東京へ(1922)〈矢田挿雲〉八)

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改訂新版 世界大百科事典 「正札」の意味・わかりやすい解説

正札 (しょうふだ)

掛値なしの正当な価格を表示する札。1673年(延宝1),現在の三越百貨店の前身である越後屋は,江戸で〈現銀掛値なし〉の新しい商法を打ち出して成功をおさめた。越後屋では商品に符丁を記した紙片を付していたが,正札による売価表示も同店がはじめたものかどうかは定かではない。この言葉は明和(1764-72)ごろから見られるが,やがて〈正札附〉という言葉が流行したらしく,唐来参和(とうらいさんな)作の黄表紙《正札附息質(むすこかたぎ)》(1787)や,歌舞伎舞踊の《正札附根元草摺引(こんげんくさずりびき)》(1814初演)が書かれ,後者は《正札附》と通称されて人気を集めた。
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