日本歴史地名大系 「武蔵国郷帳」の解説
武蔵国郷帳(天保郷帳)
むさしのくにごうちよう
武蔵国郷帳(天保郷帳)
むさしのくにごうちよう
二冊 幕府編纂
成立 天保五年
原本 国立公文書館内閣文庫
解説 正保・元禄の郷帳が国絵図の付随的な存在であったのと異なり、先に郷帳の改訂が通達され、各領主が領内の村別石高帳を提出して幕府がそれを最終的に編成・集計した。しかもその村高は表高に込高と改出新田高を加えた実高であったので、地域によっては必ずしも正確に報告されなかったようであるが、関東地方の数字は生産力の実情に近い数値を示しているとみられる。武蔵国は上・下二冊に分けられており、上は一二郡、下は一〇郡の計二二郡、三千四一二村・一二八万一千四三七石余。
活字本 日本史料選書二七「関東甲豆郷帳」、「内閣文庫所蔵史籍叢刊」
武蔵国郷帳(元禄郷帳)
むさしのくにごうちよう
武蔵国郷帳(元禄郷帳)
むさしのくにごうちよう
幕府編纂
成立 元禄一五年
写本 国立公文書館内閣文庫・東京大学法学部・国立史料館ほか
解説 国立公文書館内閣文庫本は上・下二冊に分れており、上は一二郡、下は一〇郡の計二二郡、二千九八一村・一一六万七千八六二石余。村名と拝領高(表高)を記載する簡潔な内容になっている。国立史料館本は村高が記載されず、村ごとの支配領主名が記されている。両本を合体したかたちで日本史料選書二七「関東甲豆郷帳」として刊行されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報