殿山城跡(読み)とのやまじようあと

日本歴史地名大系 「殿山城跡」の解説

殿山城跡
とのやまじようあと

[現在地名]上五島町青方郷

殿山(六一メートル)に築かれた中世の城館跡。青方氏の居城で、鎌倉初期に浦部うらべ島の地頭代官になった家高の頃に青方氏を称して居住したとされる。弘安の役後、家高は正応二年(一二八九)蒙古合戦の勲功賞として肥前国神崎かんざき庄内の田地三町をはじめ屋敷・畠地などを配分されたが(同年三月一二日「蒙古合戦勲功地神崎庄配分状案」青方文書、以下断りのない限り同文書)、一方ではモンゴル軍の三度目の襲来も予想され、青方能高(家高の子)異国警固番役を催促され(同年五月二一日肥前国守護北条為時施行状案)、永仁五年(一二九七)には高家(能高の子)が要害所の石築地の乱杭切立の破損を修理するよう指示されたほか(同年六月二二日肥前国守護代平岡為尚書下案)、正安三年(一三〇一)には盾一枚・征矢四筋・五尺九寸を負担した(同年七月五日政信請取状案)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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