着到状(読み)チャクトウジョウ

デジタル大辞泉 「着到状」の意味・読み・例文・類語

ちゃくとう‐じょう〔チヤクタウジヤウ〕【着到状】

中世、出陣命令を受け諸将が、はせ参じた旨を記した文書。これを受け取った大将または奉行は、承認文言花押とを加えて返し後日恩賞証拠とした。着到

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精選版 日本国語大辞典 「着到状」の意味・読み・例文・類語

ちゃくとう‐じょうチャクタウジャウ【着到状】

  1. 〘 名詞 〙 中世、幕府などから不時の出陣命令を受けた地頭御家人などがそれに応じたり、あるいは不測変事をきいて自発的に出陣したりした時に、いち早く馳せ参じたことを記して提出する文書。これを受け取った大将、または奉行は、「一見候了」「承了」などの承認の文言と花押を加えて返し、後日の恩賞の証拠とした。着到。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「着到状」の解説

着到状
ちゃくとうじょう

中世,地頭・御家人が変事が発生した際,催促をうけあるいは自発的に馳せ参じたときに提出する文書。何の件で馳せ参じたのかを記して奉行所に提出するものと,「着到」から書きはじめて馳せ参じた者の氏名を書き連ね「着到如件」と結ぶものの2種類がある。提出したのち着到帳に記載してもらい,勤務を終えた後は「承了」「一見了」などの証判をもらって返してもらう。室町後期には「着到」と記して軍忠を書き連ねる着到軍忠状にとってかわられ,15世紀前半に姿を消す。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「着到状」の意味・わかりやすい解説

着到状
ちゃくとうじょう

鎌倉室町時代地頭御家人などの武士が,不時の変事に際し,軍勢催促を受け,あるいは自発的にはせ参じたことを記して提出する文書。軍事統率者の証判をもらい,恩賞の際の証拠書類とした。

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百科事典マイペディア 「着到状」の意味・わかりやすい解説

着到状【ちゃくとうじょう】

武士が非常時に自発的に出頭したり,参集の命を受けて馳(は)せ参じた際,そのことを上申するために出す文書。軍忠状と同じく忠勤の証拠とした。

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旺文社日本史事典 三訂版 「着到状」の解説

着到状
ちゃくとうじょう

中世,主君などの呼び出しに応じて,参着したときに差し出す文書
多くは中世武家のもので,戦闘や警固などのために参集の命をうけた者が,所定の場所にはせ参じたとき提出した。受けとった者は,それに証判を加えて本人に返し,後日恩賞の証拠とした。

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