比江郷(読み)ひえごう

日本歴史地名大系 「比江郷」の解説

比江郷
ひえごう

現比江を中心とした一帯に比定される。元応元年(一三一九)の「日吉社領注進記」に野洲北郡正楽名神田三町三反のうちとして比江郷とみえる。応安四年(一三七一)閏三月一二日の室町幕府御教書(臨川寺文書)によれば臨川りんせん(現京都市右京区)に当郷地頭職寄進されている。同年四月一九日の細川頼之施行状(同文書)では、さきの寄進状にしたがい臨川寺に地頭職を打渡すよう近江守護京極高詮に命じた。しかし高詮は比江郷公文職を闕所と称して年貢を責取ったため、土民が逃散幕府は高詮に寺家の所務を全うできるように命じている(応安四年一二月六日「室町幕府御教書」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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