六訂版 家庭医学大全科 「毛髪奇形」の解説
毛髪奇形(ネザートン症候群/捻転毛/連珠毛)
もうはつきけい(ネザートンしょうこうぐん/ねんてんもう/れんじゅもう)
Hair anomaly (Netherton's syndrome, Twisted hair, Beaded hair)
(皮膚の病気)
どんな病気か
正常な毛は円柱の形をしています。毛の形が、でこぼこになったり、ねじれたり、割れたりなどの形の異常を示すのが毛髪奇形です。
原因は何か
毛の形が異常になるのには、先天的な原因と後天的な原因とがあります。先天的なものは毛をつくるために必要な物質の遺伝子異常で発症します。後天的なものは、毛に対する機械的な刺激が原因になって発症します。
症状の現れ方
●ネザートン症候群
この病気では頭の毛は
ネザートン症候群では、重積裂毛以外に
●
毛が扁平になり、ねじれた形になります。毛がもろいために折れやすく、短くなります。捻転毛には先天的な原因と後天的な原因とがあります。
●
毛が一定の間隔で周期的に細くなり、毛髪は玉をつなぎ並べたような形になっています。また、毛は折れやすくなっています。連珠毛は
検査と診断
毛の形の異常は、毛を顕微鏡で観察するとよくわかります。毛の形の異常とそれに伴う身体症状、遺伝形式などから診断できます。遺伝性の毛髪奇形では遺伝子の異常が明らかになってきたので、これからは遺伝子診断が行われるようになると考えられます。
治療の方法
頭の毛の形の先天的な異常に対する治療法はありません。毛がもろくなっているので、機械的な刺激で毛を折らないように注意します。
病気に気づいたらどうする
毛の形の異常には多くの種類があります。皮膚科専門医による正しい診断が必要です。
嵯峨 賢次
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報