水上機母艦(読み)スイジョウキボカン

デジタル大辞泉 「水上機母艦」の意味・読み・例文・類語

すいじょうき‐ぼかん〔スイジヤウキ‐〕【水上機母艦】

水上機を搭載し、その行動基地としての役割をもつ軍艦飛行甲板をもたず、発艦にはカタパルトを、収容には起重機を用いた。第一次大戦ごろから出現したが、航空母艦発達とともに姿を消した。

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精選版 日本国語大辞典 「水上機母艦」の意味・読み・例文・類語

すいじょうき‐ぼかんスイジャウ‥【水上機母艦】

  1. 〘 名詞 〙 水上飛行機積載収容する軍艦。第一次世界大戦末期までは、航空母艦と呼ばれた。飛行甲板を持たず、飛行機の発艦はカタパルトから射出するか、舷側水面に起重機でおろして水上を滑走させるかして行なった.帰着すれば舷側の水面に浮かんでいるのを、起重機で着艦させるようになっている。
    1. [初出の実例]「この艦(ふね)は水上機母艦改造の空母や、商船改造の特空母とちがい」(出典:春の城(1952)〈阿川弘之〉二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水上機母艦」の意味・わかりやすい解説

水上機母艦
すいじょうきぼかん
seaplane tender

水上機を搭載し,発進,あるいは収容する海軍艦艇。カタパルトで射出するか,海面に降ろし,水上滑走で離水させる。収容は海面に着水させたうえで揚収する。飛行甲板はもたない。

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世界大百科事典(旧版)内の水上機母艦の言及

【航空母艦】より


[沿革]
 航空機が実用化されてまもなく,水上機を軍艦に搭載し,上空からの偵察,攻撃に使用することが考えられた。小型水上機を海上から離水発進させ,帰投着水するとクレーンで艦上に揚収する水上機母艦が出現し,第1次世界大戦のころには,空母が誕生するまでの過渡期的存在として活躍した。しかし離着水,揚収作業は時間がかかって非効率であること,水上機はフロートをつけており陸上機に比べて鈍重で空戦能力が劣ることから,直接陸上機を発着艦させることが考えられた。…

※「水上機母艦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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