大阪府三島郡島本町の広瀬・東大寺付近の古地名。吉田東伍《大日本地名辞書》には〈島本村大字広瀬是なり〉とあるが,古くは東大寺をも含んだ地域,すなわち水無瀬川が西岸につくった扇状地の名称である。この付近は,《日本後紀》などに〈水生野(みなせの)〉,《東大寺文書》に〈水成荘〉とあり,本来,水のつくった野つまり扇状地の意味である。この地域は,756年(天平勝宝8)東大寺に勅施入されて水無瀬荘となり,水陸交通の要衝ともなった。広瀬で桂川に合流する水無瀬川は歌枕で,この地に離宮水無瀬殿を営んだ後鳥羽上皇の,〈見わたせば山もと霞む……〉の歌はよく知られる。上皇の隠岐配流後は水無瀬信成・親成父子が離宮を守り,上皇の没後御影堂を建てて菩提を弔った。この御影堂は1494年(明応3)上皇の霊を迎えて水無瀬神となり,1873年官幣中社,1939年水無瀬神宮となった。
執筆者:宮川 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
大阪府北東端、三島(みしま)郡島本町の天王山(てんのうざん)(270メートル)の西麓(せいろく)、水無瀬川と淀川の合流地。東大寺領水無瀬荘で山水の景勝地として知られ、平安時代には後鳥羽上皇の離宮が置かれた。「見渡せば山もと霞(かす)むみなせ川夕べは秋と何思ひけむ」(『新古今集』巻1)など古歌にも詠まれている。離宮跡には水無瀬神社がある。阪急電鉄京都線水無瀬駅がある。
[樋口節夫]
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