水田天満宮(読み)みずたてんまんぐう

日本歴史地名大系 「水田天満宮」の解説

水田天満宮
みずたてんまんぐう

[現在地名]筑後市水田

井手いでにある旧県社。法人名は天満神社祭神は菅原道真。老松おいまつ社とも称し、水田庄鎮守であった。寛文十年寺社開基によれば、嘉禄二年(一二二六)後堀河天皇の勅願により菅原為長が建立したという。しかし当社の前身と思われる老松社が造営されたのは、正平二四年(一三六九)から康暦三年(一三八一)の間のことと考えられる。「筑後地鑑」によれば当初は老松社といったが、近世初頭田中吉政の時に天満宮に改められたという。正平二四年四月、大鳥居信高が水田庄と広川ひろかわ庄との境界付近に老松社を初めて造立しようとしたところ、広川庄鎮守の新熊野神人らが出向き、広川庄内であると主張し訴訟となった。訴訟は大鳥居信弁―同亀松丸へと相続され、康暦三年新造立の老松社は水田庄の本境内に社壇を移すことで和解が成立した(同年三月一四日「広河庄鎮守社雑掌惣地頭代光顕・大鳥居亀松丸代沙弥貞蓮和与状」太宰府天満宮文書/南北朝遺文(九州編)五)。永徳三年(一三八三)大鳥居信栄は北牟田きたむたの鐘免田一町を老松社に寄進し、鐘撞に長吉坊喜幸を補任している(同年七月二五日「大鳥居信栄寄進状案」同文書/南北朝遺文(九州編)五)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の水田天満宮の言及

【筑後[市]】より

…特産品に久留米絣,手すき和紙,赤坂焼がある。毎年8月25日に行われる千灯明(せんとうみよう)や10月25日の稚児風流(ちごふりゆう)で知られる水田天満宮,船小屋温泉などがある。【土井 仙吉】。…

※「水田天満宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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