(読み)ハン

デジタル大辞泉 「汎」の意味・読み・例文・類語

はん【汎】[漢字項目]

常用漢字] [音]ハン(漢)
水面に浮かぶさま。「汎汎はんぱん
広く行き渡る。「汎愛汎称汎用汎論広汎
水があふれる。「汎濫はんらん
pan-の音訳字。全の意。「汎米主義
[補説]12は「はん」と通用する。

はん【汎】

[接頭]英語のpanに「汎」の字を当てたもの》名詞に付いて、広くそのすべてにわたるという意を表す。「太平洋同盟」「アジア主義」「アメリカ」

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精選版 日本国語大辞典 「汎」の意味・読み・例文・類語

はん【汎】

  1. 〘 接頭語 〙 ( [英語] pan を類義の字「汎」にあてたもの ) 名詞に添えて、広くそれにわたる意、または構成要素の結合統一の意を表わす。「汎アメリカ会議」「汎スラブ主義」など。〔新らしい言葉字引(1918)〕

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普及版 字通 「汎」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)
6画

[字音] ハン・ホン・ヘン
[字訓] うく・ただよう・ひろい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(凡)(はん)。は風の声符に用いる字。その初形は舟・皿(べい)の形で、盤旋(ばんせん)(めぐる)の意がある。〔説文〕十一上に「く皃なり」とあり、〔詩、風、二子乗舟〕に「二子、舟に乘る 汎汎(へんぺん)たる其の景(かげ)」とは、舟で流されてゆくさまをいう。その詩は、あるいは水葬のことを歌うものであろう。

[訓義]
1. うく、うかぶ、ただよう、ただよいながれる。
2. ひろい、はるか、あまねし。
3. 泛・氾と声義近く、通用することがある。

[古辞書の訓]
名義抄〕汎・泛 ウカブ・ササク・アガル・ヤブル・タタフ・ヒロシ・コボス・アサシ・アマネシ・タダヨフ・ウカス

[語系]
汎・泛・氾biumは同声。泛・氾は流屍のただようことをいう。(浮)biu、漂phiも声義近く、これらも人が波間にただようことをいう字である。*語彙は氾・泛字条参照。

[熟語]
汎愛・汎・汎汎雲・汎汎槎汎採・汎祭汎灑・汎酒汎舟・汎称汎渉汎説・汎船・汎・汎汎・汎汎沫汎沃汎濫・汎論
[下接語]
遠汎・軽汎・降汎・飄汎・眇汎・浮汎・普汎・遊汎

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