江口きち(読み)エグチ キチ

20世紀日本人名事典 「江口きち」の解説

江口 きち
エグチ キチ

昭和期の歌人



生年
大正2(1913)年11月23日

没年
昭和13(1938)年12月2日

出生地
群馬県利根郡川場村

別名
筆名=飯田 章子

学歴〔年〕
川場尋常高等小学校〔昭和3年〕卒

経歴
博打渡世人の長女として生まれる。父は定職に就かず、母が飲食店を経営して一家を支えた。高小卒業後、郵便局に勤めたが、18歳の時に母の急死により飲食店を継ぐ。傍ら独学短歌を学び、昭和6年河井酔茗島本久恵夫妻が主宰する歌誌「女性時代」に投稿。13年生活苦と恋の悩みにより、知的障害者だった兄と服毒自殺をとげた。14年遺稿集「武尊の麓」が編まれた。複雑な生い立ちから生まれた歌から石川啄木になぞらえられ、“女啄木”と評される。評伝に島本久恵が書いた「江口きちの生涯」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「江口きち」の解説

江口きち えぐち-きち

1913-1938 昭和時代前期の歌人。
大正2年11月23日生まれ。生地の群馬県川場村で飲食店をいとなみ,生活力のない父と兄をやしなう。昭和6年ごろから河井酔茗(すいめい),島本久恵夫妻の「女性時代」に歌を投稿。素朴でひたむきな異色の歌風で高い評価をえるが,生活苦と恋の悩みから昭和13年12月2日服毒自殺。26歳。没後「武尊(ほたか)の麓」が刊行された。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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