島本久恵(読み)シマモト ヒサエ

20世紀日本人名事典 「島本久恵」の解説

島本 久恵
シマモト ヒサエ

大正・昭和期の小説家,歌人



生年
明治26(1893)年2月2日

没年
昭和60(1985)年6月27日

出生地
大阪府大阪市

主な受賞名〔年〕
芸術選奨文部大臣賞(第17回・文学評論部門)〔昭和41年〕「明治の女性たち」

経歴
詩人・故河井酔茗に見いだされ、大正2年「婦人之友社」に入り、創作の道に。12年酔茗と結婚、13年処女小説失明」を発表。昭和8年から36年まで28年かけて6千枚の自伝小説長流」を完成。41年、評伝「明治の女性たち」で芸術選奨文部大臣賞受賞をするなど、評論、評伝にも健筆をふるい、高齢になっても創作意欲は衰えを見せなかった。ほか著書に「貴族」「俚譜薔薇来歌」「母の証言」「明治詩人伝」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「島本久恵」の意味・わかりやすい解説

島本久恵
しまもとひさえ
(1893―1985)

小説家。大阪生まれ。13歳で父と死別、母の片腕となって家計を助けながら文学を志し、『女子文壇』に詩歌を投稿、その編集者河井酔茗(すいめい)に認められ、1913年(大正2)上京、『婦人之友』社の記者となり、23年酔茗と一家を構えた。24年処女小説『失明』を発表。30年(昭和5)酔茗に協力して『女性時代』を創刊し、同誌に33年から、祖母・母・自身の3代の伝記と酔茗周辺の詩人群像を描き出した自伝的大長編小説『長流』の連載を始めた(1961完結)。同年第一小説集『鱗片記(りんぺんき)』を刊行。酔茗没後は詩誌『塔影』を主宰。評伝『明治の女性たち』(1966。芸術選奨受賞)、『明治詩人伝』(1966~67)、小説『貴族』上下(1973)などがある。

[橋詰静子]

『『明治の女性たち』(1966・みすず書房)』『古川清彦「河井酔茗評伝」(『日本文学研究』所収・1951.5・誠和書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「島本久恵」の解説

島本久恵 しまもと-ひさえ

1893-1985 大正-昭和時代の小説家。
明治26年2月2日生まれ。雑誌「婦人之友」記者となり,詩人河井酔茗(すいめい)と結婚。昭和5年酔茗とともに「女性時代」を創刊。8年から同誌に祖母・母・子3代にわたる自伝的小説「長流」を連載,28年かけて完成させる。42年「明治の女性たち」で芸術選奨。ほかに「鱗片記」「貴族」など。昭和60年6月27日死去。92歳。大阪出身。

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367日誕生日大事典 「島本久恵」の解説

島本 久恵 (しまもと ひさえ)

生年月日:1893年2月2日
大正時代;昭和時代の小説家;歌人
1985年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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