沙蚕(読み)ごかい

精選版 日本国語大辞典 「沙蚕」の意味・読み・例文・類語

ごかい【沙蚕】

〘名〙
ゴカイ科の環形動物の一種。日本各地の、淡水が流入する海岸の泥中や、田の溝の中にすむ。体長六~一二センチメートル。一見ミミズに似ているが、七〇~一三〇個の環節の両側には剛毛の生えている脚状の突起(いぼ足)が発達し、頭部には触手や四個の目がある。色は淡紅もしくは黄赤色で、体の前端背面は黒みを帯びる。背面中央には縦に走る紅色の血管が体壁を通してみえる。雑食性で吻(ふん)の先端に鋭い一対のあごがあり、また多くの小顎片もみられる。冬季生殖腺が熟すと、大潮後の夜、水面群泳しながら生殖を行なう。魚釣りのえさとして用いられる。むざむし。えむし。
※雑俳・柳多留‐三三(1806)「ごかひをかって一戒をやぶるなり」
② ゴカイ科に属するゴカイ、ウチワゴカイイソゴカイなどの総称。また、ゴカイ科に近縁のグループを含むこともある。

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デジタル大辞泉 「沙蚕」の意味・読み・例文・類語

ごかい【沙蚕】

多毛綱ゴカイ科の環形動物。体はひも状で、体長5~12センチ。70~130個の各環節の両側に剛毛の生えたいぼ足がある。河口内湾の泥底にすみ、釣りのえさにする。ゴカイ科にはイトメジャムシなども含まれる。

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普及版 字通 「沙蚕」の読み・字形・画数・意味

【沙蚕】ささん

浅海にすむ虫、ごかい。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「沙蚕」の解説

沙蚕 (ゴカイ)

学名Neanthes japonica
動物。ゴカイ科の環形動物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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