① ゴカイ科の環形動物の一種。日本各地の、淡水が流入する海岸の泥中や、田の溝の中にすむ。体長六~一二センチメートル。一見ミミズに似ているが、七〇~一三〇個の環節の両側には剛毛の生えている脚状の突起(いぼ足)が発達し、頭部には触手や四個の目がある。色は淡紅もしくは黄赤色で、体の前端背面は黒みを帯びる。背面中央には縦に走る紅色の血管が体壁を通してみえる。雑食性で吻(ふん)の先端に鋭い一対のあごがあり、また多くの小顎片もみられる。冬季生殖腺が熟すと、大潮後の夜、水面を群泳しながら生殖を行なう。魚釣りのえさとして用いられる。むざむし。えむし。