法道寺(読み)ほうどうじ

日本歴史地名大系 「法道寺」の解説

法道寺
ほうどうじ

[現在地名]堺市鉢ヶ峯寺

はち峯寺みねじの東部を占める堺公園墓地の北西にある。高野山真言宗。鉢峯山と号し、本尊薬師如来。古くは閑谷院長福ちようふく寺と称し、大鳥おおとり神社の奥院といわれてきた。俗に鉢ヶ峯寺と通称する。延長八年(九三〇)二月九日の日付をもつが鎌倉時代の成立かと思われる鉢峯山長福寺縁起(法道寺文書)によると、当寺の建つ峰は枳尼之はらだきにの峯と称し、大鳥大明神影向の地で、白鳳一〇年、空鉢仙人(法道仙人のことという)がこの霊峰に化現、鉢を飛ばして施物を請う「飛鉢之法」を行うなど練行に努めた。その霊験の著しいことが天智天皇に伝わり、勅願所として四至を定め、空鉢仙人を開創として伽藍建立したのに始まるという。鉢ヶ峯の名は、この飛鉢を同峯に埋納したことにちなむとする。その後、弘仁五年(八一四)嵯峨天皇の病気平癒のため最澄が当寺を訪れ薬師如来・多聞天・持国天を造立、閑谷院に安置、天長元年(八二四)には空海が淳和天皇の東宮の病気平癒のため当寺に参籠、五大尊を造立し、最勝王経を書写、当寺の堂社に安置したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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