津久茂村(読み)つくもむら

日本歴史地名大系 「津久茂村」の解説

津久茂村
つくもむら

[現在地名]高畠町夏茂なつも

石岡いしおか村の南に位置し、和田わだ川が流れ、米沢街道が通る。当地からはこのほか東は高畑たかはた村、西は小松こまつ(現川西町)北西には長井地方に通ずる道が出ており、交通の要地である。元禄二年(一六八九)米沢藩により口留番所が置かれている(「新番所之覚」市立米沢図書館蔵)中世にはもっぱら筑茂と記され、以後この表記も用いられた。

明応年間(一四九二―一五〇一)には伊達氏家臣中瀬和泉の居城中瀬なかせ館があったと伝え(安永一〇年「夏苅村方角道法」夏苅村文書)、同じく中世、湯目丹波が筑茂館を築いたとも伝えられる。天文七年(一五三八)の段銭古帳に屋代やしろ庄「つくも」とみえ、段銭は一貫九〇〇文。同二二年の晴宗公采地下賜録では、「つくものえたかう、ミなみ大はし、きた大橋のこさす」などが湯目七郎左衛門に与えられているほか、湯目丹波守は「つくもの□むねやく田銭諸公事」などを「せんせんのことくにゆるしをく也、其外知行の所もつくものことくに免許」されている。


津久茂村
つくもむら

[現在地名]江田島町津久茂

安芸郡江田島の北西部にあって、江田島湾を閉じるように突出した半島に位置する。標高二六三メートルの急峻な山で覆われ、傾斜の緩やかな東南麓一帯に集落が営まれる。江田島とは北東部で地続きになっているが、近世初期、行政的には幅五〇〇メートルの津久茂瀬戸を隔てた西能美にしのうみ(現佐伯郡能美町・沖美町)に属し、分村後も佐伯郡に属した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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