20世紀日本人名事典 「津田 左右吉」の解説
津田 左右吉
ツダ ソウキチ
明治〜昭和期の歴史学者,思想史家 早稲田大学名誉教授。
- 生年
- 明治6年10月3日(1873年)
- 没年
- 昭和36(1961)年12月4日
- 出生地
- 岐阜県加茂郡下米田村(現・美濃加茂市下米田)
- 本名
- 津田 親文(ツダ チカフミ)
- 学歴〔年〕
- 東京専門学校(現・早大)政治科〔明治24年〕卒
- 学位〔年〕
- 文学博士(東京帝大)〔大正11年〕「上代支那人の宗教思想」
- 主な受賞名〔年〕
- 文化勲章〔昭和24年〕,文化功労者〔昭和26年〕,朝日文化賞〔昭和35年〕
- 経歴
- 中学教員、満鉄満鮮地理歴史調査室研究員などを経て、大正7年から昭和15年まで早大教授。明治維新研究を生涯の課題とし、合理的思考方法に基づく、日本・中国思想史研究の体系を築きあげた。また、日本上代史、神代史を実証的に研究。特に戦前タブーだった天皇制にメスを入れ、15年「古事記及び日本書紀の研究」「神代史の新しい研究」など4冊が発禁処分となり皇室の尊厳を冒瀆したとして出版法違反に問われた(津田左右吉事件)。17年有罪判決、上告して19年免訴となる。戦後も記紀・中国思想研究を刊行。24年文化勲章受章。他の主著に「朝鮮歴史地理」(全2巻)「文学に現はれたる我が国民思想の研究」(全4巻)「道家の思想と其の開展」「日本上代史研究」「上代日本の社会及び思想」「左伝の思想史的研究」「論語と孔子の世界」「日本の神道」「儒教の研究」(全3巻)などのほか、「津田左右吉全集」(全33巻 岩波書店)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報