活語断続譜(読み)カツゴダンゾクフ

デジタル大辞泉 「活語断続譜」の意味・読み・例文・類語

かつごだんぞくふ〔クワツゴダンゾクフ〕【活語断続譜】

江戸後期の語学書。1巻。鈴木朖すずきあきら著。享和3年(1803)ころ成立本居宣長もとおりのりながの「御国詞みくにことば活用抄」の分類に従って、27の活用形式について、その例と用法を説いたもの。

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関連語 ミクニ

精選版 日本国語大辞典 「活語断続譜」の意味・読み・例文・類語

かつごだんぞくふクヮツゴダンゾクフ【活語断続譜】

  1. 江戸後期の語学書。一巻鈴木朖(あきら)著。享和三年(一八〇三)頃成立。本居宣長の「御国詞活用抄(みくにのことばかつようしょう)」で分類された活用の型二七について、一語ずつ例をあげて活用表を作り、活用形の用法を示した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「活語断続譜」の意味・わかりやすい解説

活語断続譜
かつごだんぞくふ

鈴木朖 (あきら) 著。1巻。享和3 (1803) 年頃成立。本書は先に『活語断続図説』があり,本書の形にまとまったあとにも何度か補訂されている。本居宣長の『御国詞活用抄』に述べられている 27の活用様式のなかから代表を1つずつ取出して活用表として図示したもの。宣長が係結の結び (すなわち「断」) による語形替変を取扱ったのに対し,続き (「続」) の場合も含めて用言の「断続」による替変を扱っている。「本語ニテトマル」「下ノ詞ニツヅク」「ベシニツヅク」「下ノ詞ト並ベ云」「命 (オホ) スルコトバ」などを基準に段を分けている。これが本居春庭や東条義門に影響を与えることになったと考えられている。

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百科事典マイペディア 「活語断続譜」の意味・わかりやすい解説

活語断続譜【かつごだんぞくふ】

江戸時代の活用表。鈴木朖(あきら)〔1764-1837〕著。本居宣長の《御国詞活用抄》をもと富士谷成章の考え方をあわせて作られ,宣長が27種類に分けた活用のすべてに対し,活用形の用法による相互の対応を示し,1等から7等までの活用形に分けて図示した(のち本居春庭が今日行われているように六つに減らした)。活用を,用言と〈てにをは〉との切れ続きの関係としてとらえている。

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世界大百科事典(旧版)内の活語断続譜の言及

【国語学】より

…しかしながら,この書がきっかけとなって,研究の関心の中心は,〈てにをは〉から,活用に移っていった。まず,鈴木朖(あきら)が出て,《活語断続譜》を著した。彼は,宣長が27に分けた活用のすべてに対し,活用形の用法による相互の対応を明らかにした。…

【鈴木朖】より

…多くの著書のうち,次の3種は国語学史上に大きな意味をもつ。《活語断続譜》は1803年(享和3)以前に成り,本居宣長の説に富士谷成章の考え方を調和して,活用を1等から8等の段(のちに7段)に整理し,助辞への接続を明らかにした。《雅語音声(おんじよう)考》は16年(文化13)の刊行で,単語に擬声・擬態起源のものの多いことを4種に分けて説いた。…

※「活語断続譜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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