日本大百科全書(ニッポニカ) 「浅成鉱床」の意味・わかりやすい解説 浅成鉱床せんせいこうしょう 地上から地下に浸透してきた水の作用で生じた鉱床の総称。これに対し、地下深所から上昇してきた熱水溶液によって生じた鉱床を深成鉱床という。ニッケルを若干含む橄欖(かんらん)石からなる橄欖岩が天水の作用で変質した際に、ニッケルが珪(けい)ニッケル鉱として濃集して鉱床を形成することがある。この鉱床などは浅成鉱床の好例である。水が岩石中にしみ込んできて、鉱床が形成されることが必要で、堆積(たいせき)鉱床はこれには含まれない。[飯山敏道][参照項目] | 鉱床 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
岩石学辞典 「浅成鉱床」の解説 浅成鉱床 天水の作用で生じた鉱床.酸化帯で,ある鉱物類が安定して残り,一方他の鉱物は溶解して溶液となり,下向きに移動する水で地下水面(groundwater table)以下に移動する.ある種の鉱物,特に硫化物は地下水面以下に堆積して,硫化物の富化作用の地帯ができる.この過程は浅成富化作用(supergene enrichment ; 天水富化作用ともいう)として知られている[Lindgren : 1928, Bateman : 1952, Park & MacDiarmid : 1964]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報