浅見淵(読み)あさみふかし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「浅見淵」の意味・わかりやすい解説

浅見淵
あさみふかし
(1899―1973)

小説家評論家神戸に生まれる。早稲田(わせだ)大学国文科卒業。1926年(大正15)10月『新潮』新人号に『アルバム』を発表。以後、身辺に材をとった私小説風の作品を多く書いた。小説集に『目醒時計(めざましどけい)』(1937)、『手風琴(てふうきん)』(1942)など。文芸評論にも作家の体験が生かされ、その親身な批評態度が評価される。評論集に『現代作家研究』(1936)、『昭和の作家たち』(1957)など。『昭和文壇側面史』(1968)ほか回想にも私的文壇記録の趣がある。

保昌正夫

『『浅見淵著作集』全三巻(1974・河出書房新社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「浅見淵」の解説

浅見淵 あさみ-ふかし

1899-1973 昭和時代の小説家,評論家。
明治32年6月24日生まれ。昭和3年丹羽(にわ)文雄らと「新正統派」を創刊したほか,おおくの同人誌にくわわる。私小説風の作品や作家論,作品論などを発表した。昭和48年3月28日死去。73歳。兵庫県出身。早大卒。小説に「目醒(めざまし)時計」「手風琴」,評論に「昭和の作家たち」など。

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