谷がせき止められてできた凹地に水がたたえられて生じた湖。せき止めの自然的要因としては、次のようなものがある。
(1)火山噴出物 火山の噴火に伴い流出した溶岩や泥流によって河川がせき止められた例。磐梯山(ばんだいさん)の噴火(1888)により生じた福島県の桧原湖(ひばらこ)と秋元湖(あきもとこ)、焼岳(やけだけ)の噴火(1915)による長野県の大正池(たいしょういけ)など。
(2)山崩れ 地震のためにおこった土石流によりせき止められた例。関東大震災(1923)の際生じた神奈川県の震生湖(しんせいこ)、善光寺地震(1847)による長野県の涌池(わくいけ)など。
(3)河川堆積(たいせき)物 河川が運んでくる土砂によって谷の出口がせき止められた例。利根川(とねがわ)本流の堆積物により支谷の出口がせき止められ生じた千葉県の印旛沼(いんばぬま)と手賀沼(てがぬま)など。
(4)砂丘 海岸砂丘が内陸に進行したことにより谷がせき止められた例。鳥取県の多鯰ヶ池(たねがいけ)など、日本海側に例が多い。
(5)砂州 砂州によって内湾が外海から切り離された例。福井県の久々子(くぐし)湖などの潟湖(せきこ)。
(6)氷河やモレーン(堆石) 主谷の氷河により支谷がせき止められた場合や、堆積したモレーンによって凹地がせき止められた例。メルエレン湖(スイス)、長野県の濃ヶ池(のうがいけ)(木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ))など。
これら堰止湖の湖盆形態の特徴として、湖岸線が屈曲し、急傾斜であり、せき止められた場所の前方近くに湖の最深点があることがあげられる。
[森 和紀]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新