日本大百科全書(ニッポニカ) 「浦口」の意味・わかりやすい解説
浦口
ほこう / プーコウ
中国、江蘇(こうそ)省南京(ナンキン)市の北西部にある市轄区。揚子江(ようすこう)の北岸に位置し、同江を隔てて鼓楼(ころう)区と向かい合う。常住人口59万4900(2012)。浦口の名は、明(みん)の宣徳年間(1426~1435)に揚子江守護のため築かれた浦子口城にちなむ。もとは荒涼たる地で人家もほとんどなかったが、津浦(しんぽ)線がここを起点として建設されてから、揚子江水運上の要衝として急速に発展し、中華民国時代には貿易港として開港された。1968年には下関(かかん)(現、鼓楼)との間に長江大橋が完成し、津浦、滬寧(こねい)両鉄道が連結され京滬線となった。製薬と機械製造が工業の中心である。
[林 和生・編集部 2017年2月16日]