日本大百科全書(ニッポニカ) 「長江大橋」の意味・わかりやすい解説
長江大橋
ちょうこうおおはし / チャンチヤンターチヤオ
中国、長江(ちょうこう/チャンチヤン)(揚子江(ようすこう/ヤンツーチヤン))に架けられた橋の総称で、白沙陀(パイシャートゥオ)、重慶(じゅうけい/チョンチン)、枝城(しじょう)、武漢(ぶかん/ウーハン)、南京(ナンキン)などの長江大橋がある。白沙陀長江大橋は重慶市付近にあり、1959年に完成した全長820メートルの道路・鉄道併用橋である。重慶長江大橋は80年に開通した8径間からなるプレストレスト・コンクリート橋で、全長1120メートル、幅員21メートル(車道15メートル、両側歩道各3メートル)の道路専用橋である。枝城長江大橋は洞庭湖(どうていこ/トンティンフー)の近くにある鉄道専用橋である。武漢長江大橋は最初に架けられた長江大橋で、ソ連の技術協力を得て工事が行われ、1957年に完成した。取り付け部を入れた全長は1670メートルあり、このうち水路上は河中に橋脚を設けて各支間128メートルの9径間にわたり、ダブルワーレン型連続トラス橋が架けられている。道路・鉄道併用の二層橋で、上層は幅員22.5メートル(うち車道幅員18メートル)の道路、下層は複線の鉄道を通している。使用された鋼材は2万1300トンに達する。この橋により初めて北京(ペキン)と広州との間に鉄道が直通し、中国の国内交通に大きな変革がもたらされた。南京長江大橋は68年に中国独自の技術によって完成した。全長は長江大橋中最長の6700メートルである。道路・鉄道併用の二層橋で、上層は道路、下層は鉄道を通している。この橋の完成により、北京―南京―上海(シャンハイ)間が鉄道で直結されることになった。
[堀井健一郎]