海印三昧(読み)カイインザンマイ

デジタル大辞泉 「海印三昧」の意味・読み・例文・類語

かいいん‐ざんまい【海印三昧】

仏語。仏が華厳けごん経を説いたときに入ったという三昧。一切の事物が映し出される、静かに動じない仏の心。海印定かいいんじょう

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精選版 日本国語大辞典 「海印三昧」の意味・読み・例文・類語

かいいん‐ざんまい【海印三昧】

  1. 〘 名詞 〙 仏陀が「華厳経(けごんきょう)」を説く時に入ったとされる三昧の境地の名。静かに澄みわたった海面万象が映るように、悟りを得た仏の心にいっさいが現ずることを示したもの。禅定(ぜんじょう)
    1. [初出の実例]「諸仏諸祖とあるにかならず海印三昧なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)海印三昧)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海印三昧」の意味・わかりやすい解説

海印三昧
かいいんざんまい
sāgara-mudrā-samādhi

仏教用語。大海原の波が静まり水が澄むと,その面に空中の一切の森羅万象細大漏らさず映し出されることにたとえた精神集中の境地。仏がこの三昧に入ると,その海のように広い智慧の心に一切諸法の相が一時にありのままに映し出される。『華厳経』はこの境地にある仏によって説かれたので,海印三昧一時炳現の法門という。

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