浸(漢字)

普及版 字通 「浸(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
10画

(異体字)
16画

[字音] シン
[字訓] ひたす・おかす

[説文解字]

[字形] 形声
旧字はに作り、(しん)声。〔説文〕の篆文の字形に作る。帚は鬯(かんちよう)のとき、帚(箒(ほうき))に酒をいで、その祭場を清める意。所を鬯酒(ちようしゆ)(香り酒)で祓い清める意で、その酒気をという。〔説文〕十一上を水名とし、呼沱(こだ)河の支流の名とするが、字は寝における鬯の礼をいう。その所をまた寢(寝)という。卜辞に「するに、疾(な)きか」と卜する例があり、疾病を祓う儀礼にも用いた。は精気感祥、これを祓うのにの儀礼が行われた。

[訓義]
1. ひたす、酒気をひたす、酒気をひたしてはらう。
2. すすむ、おかす、次第にしみとおる、しみこむ、うるおす。
3. そそぐ、しずむ、ぬれる。
4. 水たまり、さわ。
5. ようやく、しだいに、やや、ますます。

[古辞書の訓]
名義抄 ヒタス・ウルフ・ウルホス・ヒタタリ・イヨイヨ・トホシ・ハルカナリ・ヲカス・ススグ・シタタリ・ヒトシ・ヤウヤク

[声系]
〔説文〕に(侵)声あるいはの省声として収める字には、の声義をとるものが多い。侵字条参照。

[語系]
tzimは同声。・寢tsimは声義近く、この系統の字はおおむね一系の語とみてよい。

[熟語]
浸育・浸・浸・浸仮・浸浸涵・浸・浸近浸漬浸弱浸濡浸湿浸潤・浸・浸浸浸潯浸水浸漸浸染浸沈・浸入浸微浸漫浸滅浸凌浸潦
[下接語]
淹浸・浸・涵浸浸・稽浸・漬浸・秋浸・水浸・積浸・潜浸・漸浸・大浸・沈浸・泛浸・漂浸・漫浸・潦浸

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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