(1)顕微鏡の分解能,すなわち顕微鏡で分解できる標本の最小距離を小さくするため,対物レンズと観察しようとする標本との間の空間を液体で満たすこと。分解能は対物レンズの開口数に逆比例し,また開口数は上で述べた空間の屈折率nに比例するので,ふつうの使用状態の空気(n=1)の代りに液体(n>1)を満たすと,そのぶんだけ分解能が小さくできる。液体としてはふつうセダー油(n=1.6)が用いられ,とくに液浸法用に設計された対物レンズと組み合わせると,波長0.5μmの可視光を使って0.25μm程度までの分解能が得られる。
(2)透明固体試料の屈折率測定法の一つ。試料を屈折率の等しい液体中に浸すと,試料の存在が目では認められなくなる。したがって,屈折率が異なるいろいろの液体を用意しておけば,この原理を使って試料の屈折率を求めることができる。微小な試料の場合は,試料を液体に浸し,透過光を顕微鏡で観察する。この場合には屈折率に差があると試料の輪郭に沿ってベッケ線と呼ばれる明るい線が見え,また試料と液体の屈折率が一致すると輪郭が見えなくなる。試料が結晶で,その方位がわかっている場合は,試料照明光に偏光を使うことによって常光線および異常光線に対する屈折率も測定できる。
執筆者:田中 俊一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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