淀江町(読み)よどえちよう

日本歴史地名大系 「淀江町」の解説

淀江町
よどえちよう

面積:二五・七四平方キロ

西伯郡の西部に位置し、東は大山町、西と南は米子市に接し、北は日本海(美保湾)に臨む。町域のほぼ中央に壺瓶つぼかめ山があり、大山の北壁を水源とし、町の西部を北流して美保みほ湾に注ぐ佐陀さだ川や、孝霊こうれい山の西麓から流れ出て淀江平野の西を北流する宇田うだ川のほか、同川の支流天井てんじよう川などが流れる。淀江平野は宇田川や南部を北西流する稲吉いなよし川の堆積作用によって形成された低湿地である。田畑は町全体の約三分の一、山林は約二分の一を占める。集落は山麓台地や小高い段丘上に発達し、中心部である淀江集落は海に沿って細長く形成された砂洲の上に立地している。JR山陰本線にほぼ並行して海岸沿いに国道九号が走る。

町域は山地扇状地・砂洲・沖積地と地勢の変化に富み、とくに縄文時代には潟湖も形成され、生活立地は良好な地域であった。遺跡は明らかでないが、小波こなみから旧石器時代のナイフ形石器が出土し、鳥取県で最も古い遺物とされる。縄文時代には日本海が湾入していたと考えられ、漁労を基盤として鮒が口ふながくち遺跡から早期末―前期の土器・石器などが多量に出土している。後・晩期では河原田かわらだ遺跡があり、低湿地に営まれた遺跡と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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