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逆浸透法 ぎゃくしんとうほう

大辞林 第三版の解説

ぎゃくしんとうほう【逆浸透法】

溶液と溶媒が半透膜で隔てられているとき、溶液側にその浸透圧以上の圧力を加えると、溶液中の溶媒が溶媒側に移動する現象を利用して、物質を分離する方法。海水の淡水化・高純度の工業用水の生産などに用いる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎゃくしんとうほう【逆浸透法 reverse osmosis】

水は通すけれども,溶質である無機塩類は通さない半透膜を隔てて,その片側に純水,反対側に無機塩を含む溶液をおくと,水が純水の方から膜を通って溶液の方へ移動する。これが浸透現象であるが,この水の移動は,溶液側に溶液の浸透圧に等しい圧力を加えると停止し,浸透平衡に達する。そこでさらに溶液側に浸透圧以上の圧力を加えると,水は前と逆方向に移動し,溶液から純水が得られることになる。この原理は1956年ころ,アメリカ,フロリダ大学のリードC.E.Reidによって海水淡水化のための新しい方法として提案され,60年アメリカ,カリフォルニア大学のロブS.LoebとスリラーヤンS.Sourirajanが優れた半透性をもつアセチルセルロース膜の独自の製法を発見し,実用化に至った。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

逆浸透法
ぎゃくしんとうほう
reverse osmosis process

溶媒は通すが、溶質は通さない半透膜を隔てて溶液と溶媒を接すると、一般に溶媒は膜を通して溶液側に移動する。これが浸透であり、このとき両液間に生ずる圧力差が浸透圧である。溶液側に浸透圧以上の圧力をかけると、浸透とは逆に溶液側から溶媒が移動し、あとに濃厚溶液が残る。これが逆浸透であって、この現象を利用した分離、濃縮技術を逆浸透法とよんでいる。
 この操作は単に機械的圧力を加えるのみでおこり、相の変化、したがって熱の出入りを伴う他の分離法に比べて所要エネルギーが少ない。海水の淡水化に適用されて以来、廃水の処理や種々の化学プロセスの分離技術として開発が進められている。
 半透膜としては、アセチルセルロースと芳香族系ポリアミドを用いたものが代表的である。一定の容積中にできるだけ大きな膜面積と強度を保つよう、膜の形状や構造にくふうがこらされている。現状のおもな型式は、平膜型、管状型、スパイラル型、中空繊維型である。大型実用プラントには、あとの三者が用いられている。[大竹伝雄]

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世界大百科事典内の逆浸透法の言及

【海水淡水化】より


[電気透析法]
 陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に組み合わせて,電流を流すことにより,溶解しているイオンを一定の方向に移動させて淡水化を行う方法。
[逆浸透法]
 水は通すが塩分は通さない半透膜を用い,これに海水の浸透圧(約25kg/cm2)以上の圧力を加えることによって,海水から膜を通して淡水のみを得る方法。半透膜として,アセチルセルロースや芳香族ポリアミドなどが用いられる。…

※「逆浸透法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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