深坂神社(読み)ふかさかじんじや

日本歴史地名大系 「深坂神社」の解説

深坂神社
ふかさかじんじや

[現在地名]岐阜市洞

古市場ふるいちばとの境界近くに鎮座。旧郷社で、祭神八酒子神。不可坂とも記し、江戸時代は深坂社・深坂(七社)大明神、単に大明神などと称された。鵜飼うかい九郷の惣社とされた。社伝によれば、美濃国守護代斎藤利国が鵜飼庄領知した折、ほら郷に祠られたという。享禄天文(一五二八―五五)の頃、鵜飼庄の領主土岐業頼が近隣七郷の土豪に命じてその氏神を当社の左右に祀らせ、地域の掌握を象徴したとされる。七郷の土豪とは洞村小森氏・交人ましと村筑間氏・稲木いなぎ村黒田氏・御望ごも村加納氏・小野この村田中氏・上立かみたて村秋野氏・下立村高橋氏である。のちに市場いちば(古市場)今川いまがわが分立し、土豪にも盛衰があり、鵜飼九郷の各村は洞村松井氏・市場村宮部氏・今川村河合氏・交人村郷氏・下立村佐藤氏・黒野村秋野氏・稲木村白木氏・小野村田中氏・御望村加納氏となり、鵜飼九流として祭礼をつかさどったという(「深坂大明神祭礼儀式由来帳」伊藤文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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