湯之宮神社(読み)ゆのみやじんじや

日本歴史地名大系 「湯之宮神社」の解説

湯之宮神社
ゆのみやじんじや

[現在地名]新富町新田

新田原にゆうたばる台地北方に位置し、湯之宮地区の鎮守祭神猿田彦命。古くは湯之宮権現と称された。建久図田帳に安楽あんらく(現福岡県太宰府市)領六三町のなかに湯宮一三町とみえ、児湯郡内にあり、地頭は平五(実名不詳)であった。その後温宮(湯宮)は南北朝期の動乱で不知行地となっている(観応三年二月日「安楽寺領注進目録写」太宰府天満宮文書)新田にゆうたには遺称として湯ノ宮の字名や湯宮池が残る。当社は大永三年(一五二三)創建と伝え、江戸時代には遠所・近郷からも参拝者が訪れたという。南西に神井があり、かつては湯が湧出したというが、現在は真清水となっている。寛政四年(一七九二)七月四日、湯野宮ゆのみや村を訪れた高山彦九郎は「湯野大権現の社下に井の如き水有り古は温泉出しと伝ふ」(筑紫日記)と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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