日本大百科全書(ニッポニカ) 「満田久輝」の意味・わかりやすい解説
満田久輝
みつだひさてる
(1914―2006)
京都大学名誉教授。栄養化学者。大阪府生まれ。1937年(昭和12)京都帝国大学農学部農林化学科卒業。1944年同大学助教授、1952年教授、1978年定年退官後、甲子園大学学長、環境科学総合研究所所長などを歴任。栄養化学の領域で独創的な研究成果を上げた。ビタミン類の超微量測定法を考案。戦中、戦後の食糧事情が困難な時期に、コメにビタミンを加えた強化米を開発し、国民病といわれた脚気(かっけ)の克服に寄与、国民の健康増進に貢献した。1959年科学技術長官賞科学技術功労者表彰。1980年日本学士院賞、1986年アインシュタイン特別名誉科学賞を受賞。1989年(平成1)文化功労者、1994年文化勲章を受章した。
[編集部]
『満田久輝著『米、再考――コメは世界の主食です。』(1993・集英社)』